ふたつめのはなし/指輪の魔人 04

 するとそこへジャマー一味がやってきました。
 ♪ジャッジャッジャマー
  ジャッジャマー
  オレはみんなのジャマするぜ
  オレのジャマはさせないぜ
  ジャッジャッジャマー
  ジャジャジャジャーン♪
 ジャマーはごきげんです。
「おうひよこちゃんたち。道をあけな」
 でもリーサはジャマーたちの前から動こうとしません。
「いやよ。あんたたちがどきなさいよ」
「なんだと?」
 ズールが前に出てきました。ズールは体も大きくて、力も強いので、リーサがかなうはずありません。
「おっこいつらいっぱいおかしもってるぜ。キシシシシ」
 イタズラーがとびはねながら言いました。
「そのおかしをわたせば今オレにさからったことはゆるしてやる」
「まったくあんたたちはどーしよーもないわね。まじん」
 リーサが言うと、また指輪が光りだしました。そしてポン!という音とともに、魔人が姿を現しました。急に出てきた魔人にジャマー一味もびっくりしています。
「まじん。こいつらをやっつけて」
 リーサが命令しました。
「カンタンだ」
「なんだと?オレたちをやっつけるって?おい!ズール!やっちまえ!」
「お…おう…」
 と言ったものの、自分よりさらに大きい魔人を目の前にして、ズールもいつもの迫力がありません。
「うがーっ」
 と叫びながらズールは魔人にぶつかっていきました。ズールの体が魔人のおなかに半分埋まるくらいの体当たりでした。ですが魔人はびくともしません。魔人が、ふん、とおなかに力を入れると、ぽよん、とおなかがはね返りました。それに押されてズールがとびだしてきました。それにジャマーとイタズラーがぶつかって、そのまま3人は遠くの方へとんでいってしまいました。
「わあ----……・・・」

「やったあ。あんたってすごいんだね。
 リーサはこうふんしています。
 「じゃあ次は何を叶えてもらおうかなー・・・」
 と言いながら、リーサは突然その場に倒れてしまいました。
「リーサ!大丈夫?」
「ピニョ!」
 ルーノ・ニーフがいくら呼んでも、リーサは目を覚ましません。
「大変だ!ねえまじん、リーサをたすけてよ!」
「それはできない」
 そう言って魔人は指輪の中へゆっくりと戻っていってしまいました。
「待ってよ…!」
 ですが魔人は、それきりルーノ・ニーフの呼びかけに応えようとはしませんでした。
「ピニョ!長老の所まで運ぼう!」
「ピニョ!」
 街はすぐそこです。ルーノ・ニーフとピニョは、ふたりがかりでリーサをかついで長老の家へと向かいました。

 そしてさっきからずっとルーノ・ニーフたちのことをみはっているやつが言いました。
「計画は第三段階に入りました。まだターゲットに動きなし。さらに監視を続けます」

 ようやく長老の家までたどりついた時、家の中から大きなくしゃみがきこえてきました。
「はーくしょーい!」
 それと同じくらい大きな声でルーノ・ニーフは叫びました。
「長老!早くあけて!」
 家の中でまた何回かくしゃみをする声がして、しばらくしてからやっと扉が開いて長老が出てきました。
「何事じゃ」
「リーサが急に倒れちゃったんだ!」
「なに!そりゃいかん!早く家の中へ!」