ふたつめのはなし/指輪の魔人 10
「ルーノー!」
「ピーニョー!」
リーサとピニョが駆け寄ってきてルーノに抱きつきました。
「よかったねリーサ。指輪を外すことができて」
ルーノが言いました。
「うん。ありがとう!・・・でももうひとつくらい願いをきいてもらってもよかったかな」
「ピニョ!」
ピニョがリーサの頭をたたきました。そしてみんなで笑いあいました。
結局、ルーノ・ニーフの願い事は叶いませんでした。お父さんとお母さんに会えなかったことがちょっぴり残念でした。
「長老。この指輪どうしよう?アタシもう見るのもイヤ」
「ワシの家の書斎の奥にでも鍵をかけてしまっておこう」
リーサから指輪を受け取って長老は言いました。
「あーおなかすいたー!何か食べようよー!」
リーサが言いました。
「まじんに出してもらう?」
「ルーノのバカー!もうキライッ」
そしてまたみんなで笑いました。
お父さんとお母さんには会えなかったけど、ルーノにはこんなにすてきな仲間がいます。そしてルーノは思いました。魔人の力を借りなくても、いつか必ず自分の力でお父さんとお母さんを探し出してみせる、と。
「ターゲットは、自ら魔人を封じ込める手段を発見したもよう。魔人を指輪に戻すことに成功。まだ力は弱いですが、ターゲット・・・・・・ルーノ・ニーフはやはりフラルのようです。・・・・・・はい。フークの息子である可能性は高いと思われます。・・・・・・はい。一度そちらに戻ります」
そして黒い影はやみの中へ消えていきました。
ふたつめのはなし 指輪の魔人 おしまい
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